秋の花の花言葉

藍の花言葉/阿波藍の神秘の青「ジャパンブルー」は不滅です

Written by すずき大和


スポンサーリンク

藍は、インディゴとも呼ばれる独特の深い青色の色名でもあり、その色を染めるために利用される植物の総称でもあります。

日本では、タデ科の

「蓼藍(たであい)」
「藍蓼(あいたで)」

という植物が使われ、「阿波藍」と呼ばれる徳島県産のものが最高級品として江戸時代には、大きなシェアを誇っていました。阿波藩(現在の徳島県)は、すだちでもワカメでもなく、藍によって栄えたといって過言ではありません。

世界的には、インド原産の「インディゴフィラ」(和名:南蛮コマツナギ)というマメ科の植物が、西洋を始めとして広く普及していました。英語で「Indigo plant」というと、普通はこのインディゴフィラのことを指します。日本でも、明治に入り、安価なインディゴフィラが輸入されるようになって、阿波藍はシェアを奪われました。

そして、20世紀に入り、ドイツで化学合成した人工藍染料が発明されると、手間のかかる天然の藍染そのものが世界的に衰退しました。現在ではインディゴフィラは染料としての栽培はほとんどなくなってしまいました。

が、阿波藍は、浮世絵や着物文化ほか、日本のカルチャーを彩る独特の風合いに欠かせない色として、その伝統技術と共に、今もしっかりと受け継がれ、生き残っています。

徳島県の誇る伝統のジャパンブランドとして、重要な観光資源となっている藍には、和の装いを演出してきた思いのこもった花言葉が付きました。



スポンサーリンク

藍の花言葉

藍の花全般の花言葉

『美しい装い』
『あなた次第』

花言葉の由来

日本の中世ファッションの基本カラー

日本の伝統的な染物は、有名なもの、高価なものもたくさんあります。が、身分の高い人や武家だけでなく、広く庶民の身の回りにまで全国的に普及していた、日本を代表するファッションになっていたのは、藍染です。

植物を使った藍染は、世界中で古代から行われていました。徳島の阿波藍も、平安時代から蓼藍の栽培と共に始まりました。吉野川沿いに、阿波栽培は広がり、染め技術も発展して、色合いも薄いものから濃いものまでいろいろ染め分けていました。

  • 薄藍(うすあい)
  • 浅葱色(あさぎいろ)
  • 縹色(はなだいろ)
  • 留紺(とめこん)

など、たくさんの色名も生まれました。これらの青はすべて藍染めで作った色です。

武家社会になると、「勝色(かちいろ)」という名前の濃い目の藍色が、勝利につながって縁起がいいといわれ、武士の間に藍染の着物が大流行します。伴って、藍の生産と藍染は全国に広まっていきました。

1549年、それまで葉っぱの汁を沈殿させた染料を使っていましたが、「すくも」と呼ばれる藍の葉を発酵させて作る染料を使う技法が阿波藩で確立され、染料の生産と染めの効率はますます上がっていきました。この技法も、世界で日本だけのブランド技術です。

江戸時代の阿波藩では、藩主が藍の生産を保護・奨励したので、徳島産の藍の品質が更に向上し、全国の藍の中でも別格に扱われる銘品となりました。平穏な江戸時代、全国的に木綿の生産量もアップして、人々のファッションの興味も高まり、元禄の頃には藍染の美しい風合いは広く庶民の間でもブームとなったのです。

『美しい装い』

は、そんなファッションをけん引した藍染の誇りを表す花言葉です。

若干意味不明な花言葉

『あなた次第』

は、染物なので、「あなたの色に染められ~♪」みたいな表現からきている、という解説もあります。が、藍は染められるほうじゃなくて、染めるほうなんですから、立場が逆っぽい気もします・・・・。

いっそ『私色に染まって』のほうが、まさに

“愛(藍)の告白”

になったのに・・・なんてね。

藍ってどんな花?

花は秋に咲きます

藍染に使われるのは葉っぱですから、「藍」を検索すると、葉の写真のほうが主に出て来るでしょう。一般的なイメージも原料なので、タイトル写真も葉にしました。

が、花言葉は当然花に付いているものです。

で、藍の花とはこんな感じに咲いています。

藍の花


夏の終わり頃から10月いっぱいくらいに、茎の先に花びらのない米粒のような小さな花がたくさん並んだ花穂を付けます。色はピンクが多く、白や濃いピンク色のものもあります。9月半ばくらいが見頃の秋の花です。

蓼藍はとても育てやすいので、最近は、ガーデニングとして庭などに植える人もいて、園芸市場でも時々見かけるようになりました。日本の山野に自生する花々のような野性味のある趣が、洋花に飽きた人たちから好まれているそうです。

世界に羽ばたく阿波藍の美

日本の藍色を「ジャパンブルー」と呼んだのは、明治8年に来日したイギリスの科学者でした。明治23年には、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が、

「この国日本は神秘なブルーに満ちた国」

と絶賛したそうです。

インディゴフィラを使った藍染は西洋にも古くからありましたが、日本文化に溶け込んだ藍色は、また違った独特の風合いと美しさに見えたようです。

21世紀になり、徳島県では、阿波藍の布を使ったドレスのファッションショーなど、阿波藍染めを生かした様々なファッションやアートを海外に向かって発信するプロジェクトをいろいろ展開させています。改めて、日本の藍文化が世界的に評価されている昨今なのです。

藍の基本データ

分類: タデ科イヌタデ属
学名: Persicaria tinctoria ペルシカリア・ティンクトリア
和名: 藍(アイ)
別名: 蓼藍(タデアイ)、藍蓼(アイダテ)
英名: Japanese indigo plant
Indigo plant(藍染の原料植物の総称)
開花時期: 8~10月 晩夏~秋の花
花色: ピンク、赤、白
草丈: 60~90cm 一年草
生息地: 東アジア
原産地: 東南アジア、中国


スポンサーリンク

筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。