秋の花の花言葉

ワレモコウの花言葉/だんだん咲き進む花穂の移ろいを楽しもう

Written by すずき大和


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日本の山野で普通によく見られるワレモコウ。

細く枝分かれした茎の先端に、小さな花がたくさん集まっている卵型の花穂を付け、風にユラユラと揺れる姿は、野山を散策する人の心に、なんとなく秋の到来を実感させてくれます。

暗い赤褐色の花は、美しいとはいえませんが、一説によると、人々がこの花色について、

  • 「濃い紫色だ」
  • 「海老茶色じゃないか」
  • 「焦げ茶色でしょ」

とあれこれ議論していたら、どこからか

「吾もまた紅なり」

という花の声が聞こえたそうです。

この逸話が、花名「吾亦紅(ワレモコウ)」の由来のひとつ(他にも諸説あり)です。

花の言葉を現代風に訳すと

「一応、これでも紅(赤色)なんですけど、何か」

みたいな感じでしょうか!?

日本の花言葉は、しっとりしたイメージの秋の花らしい言葉が並んでいます。

偶然ですが、英語の花言葉のほうが、このお茶目な花の性格を反映しているようです。



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ワレモコウの花言葉

ワレモコウ全般の花言葉

『変化』
『移り行く日々』
『物思い』
『愛慕』

西洋(英語)の花言葉

『Merry heart(陽気なハート)』

ワレモコウってどんな花?

渋い花色は生け花やドライフラワーで人気

ワレモコウ属は、英語では

「Burnet(バーネット)」

といいます。人の名前でよく聞きますが、実は花の名前でした。

ワレモコウ属は、細い枝先に小さな花が集まった花穂がつき、楕円形の葉っぱの縁がギザギザになっているのが特徴の花群です。世界中で30種ほどあり、花穂の形や色が、品種によっていろいろ違います。

西洋では、全部まとめてバーネットと呼び、花言葉も属全体を網羅しています。

日本では、花穂が短めで直立し、花色が赤褐色の品種を「ワレモコウ」と呼んでいます。国内には、他にいくつか「○○○ワレモコウ」という花がありますが、みな、花穂が小さめで花色は白か渋い褐色です。

実は、ワレモコウ属にはもともと花びらが退化してありません。小さな花の花びらに見えるのは、本当はガクです。花持ちもよく、もともと渋い色なので、色落ちも感じないため、ドライフラワーにされることが多いです。

生花の切り花は、地味ですが、花穂のアクセントが可愛らしく、渋い色合いは他の花を引き立てるので、秋の生け花やアレンジメントに重宝されています。

唐糸草と唐打草

国内には、ワレモコウ属が10種ほど自生していますが、花穂が長めで垂れ下がり、おしべがガクの外に長くはみ出している品種のものは、別ものとして認識されています。

これらは、はみ出たおしべが糸のようなので、唐打(中国の組糸)のふさに見立て、

「トウウチソウ」
「カライトソウ」

の名が付いており、花言葉もワレモコウとは別になっています。

ピンクのおしべがフサフサした長い花穂が特徴的なカライトソウは、日本の固有種です。

カライトソウ


花言葉の由来

上から順番に咲く花穂

花穂ができる花の多くは、機関部(茎にくっついている方)から花が咲いていくケースが多いのですが、ワレモコウは上の方(先端)から花が咲きます。群生している花を良く見ると、咲き揃う途中の花穂もたくさん見られます。

ワレモコウ花序


一週間くらいかけて順々に咲くので、日々咲き進んでいく様子に由来して

『変化』
『移り行く日々』

の花言葉が付けられました。

秋風に揺れる花穂

茎の先端の花穂が秋風にゆらゆら揺れる様子は、頭を振っていやいやをしているようにも見え、センチメンタルな秋の雰囲気を醸し出しています。

『物思い』
『愛慕』

の花言葉は、移ろう季節の変化の様と相まって、渋い感傷を呼び起こすようです。

カラフルなフサフサ

『Merry heart(陽気なハート)』

英語の花言葉の由来はよくわかりません。基本的に、西洋の花言葉解説では、ギリシャ神話などのエピソードでもない限り、ほとんど由来の解説がされることがないので・・・。

あっちの人は、そういうのあんまり気にしないのでしょうか?

西洋にも日本と同じワレモコウが自生しています。が、どちらかというとおしべがはみ出た品種のほうが一般的です。色も白やピンクが多く、フサフサの花穂は明るく楽しい雰囲気の印象が強いのだろうと思われます。

逆に、フサフサがなくて色の渋いワレモコウは、イギリスでは

「Great Burnet(グレートバーネット)」

と呼んで、特別に扱われることも多いようです。これはこれで、素朴さが愛されており、ペインティングやポストカードの絵柄によくなっています。

ワレモコウの別の顔

血止めの薬草

ワレモコウは漢方では「地楡(チユ)」と呼ばれる生薬です。根にタンニンやサポニンなどの成分が多く含まれ、東洋でも西洋でも、大昔から止血薬に使われてきました。

ワレモコウ属の学名「Sanguisorba(サンギソルバ)」は、“血を吸う”という意味があり、止血の効能に由来しています。

食べられるワレモコウ

中には、食用のワレモコウもあります。

「オランダワレモコウ」

という品種は、若葉が食用にされており、別名

「サラダバーネット」

と呼ばれています。

日本では市場での流通はあまりないですが、家庭菜園では最近人気のあるハーブのひとつです。どうやら、葉っぱは渋くないようですね。

ワレモコウの基本データ

分類: バラ科ワレモコウ属
学名: Sanguisorba officinalis サンギソルバ・オフィシナリア
和名: 吾亦紅(ワレモコウ)、吾木香(ワレモコウ)
別名: 地楡(チユ)(生薬名)
英名: Great Burnet,Garden Burnet
開花時期: 8~10月 晩夏~秋の花
花色: 暗紅色、赤、ピンク
草丈: 20~180cm 落葉性多年草
花持ち期間: 7日前後
原産地: 北半球温帯~亜寒帯地域


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。