夏の花の花言葉

ホオズキの花言葉/花言葉は気にせず赤い実の御利益にあやかろう

Written by すずき大和

主に関東では「ほおずき市」の縁日は夏の風物詩のひとつです。

東京「浅草寺」の観音様の縁日に立つ市が最も有名です。

「ホオズキ」は厄除けや無病息災を願う縁起物とされています。東京のお盆は7月なので、そのまま“迎え火の提灯”に見立てて盆棚に飾られることも多いです。

オレンジ色のぼんぼりのような実が釣り下がった姿が可愛らしいので、一般的にも鑑賞用として流通しています。

実のなる直前、夏の初めに白い小さな花が咲きます。西洋でホオズキは、

「Winter Cherry」冬のサクランボ
「Ground Cherry」地面のサクランボ

なんて呼ばれていますが、果樹のサクランボと違い、ナス科のホオズキは野菜の苗のような多年草で、ナスやトマトによく似た花を咲かせます。

西洋から花言葉の習慣と共にホオズキの花言葉もそのまま入ってきました。あまりいい意味の言葉ではありませんが、

  • 可愛い見た目の園芸植物
  • 御利益のある縁日の縁起物

という文化がすっかり馴染んでいるせいか、ほとんどの人が今も気にしていないようです。



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もくじ

ホオズキの花言葉

日本の花言葉

『ごまかし』
『偽り』
『欺瞞』
『半信半疑』
『自然美』
『心の平安』
『私を誘ってください』

西洋(英語)の花言葉

『deception(ごまかし)』

ホオズキってどんな花?

目立たない花がやがて大きな実に

枝分かれせずまっすぐ伸びるホオズキの茎には、節ごとに葉が付き、その葉の付け根にクリーム色の花をやや下向きに咲かせます。

ホオズキの花


2日くらいで花が散ると、ガクの部分が大きくなってきて、紙風船のようにめしべの元を包み込んでしまいます。この風船がオレンジ色に色付く頃、中の種が詰まった赤い丸い実も、大きく膨らんでいます。

ぼんぼり型の実は半月くらい楽しめます。鈴のように実がなっている茎を数本植えた鉢が、ほおずき市の店頭にたくさん並んで売られています。

花言葉の由来

大きな実なのに、中は空気とタネじゃん!?

ホオズキのオレンジ色の実は、大くても中は空洞なのは皆さんよくご存じでしょう。

本当の実はその中にある丸いやつで、外側は覆いみたいなものなのですが、西洋人は、

「大きいのに中身がない!」
「騙されたぁ~」

と解釈したのか、

『deception(ごまかし)』

という花言葉を付けました。

日本で、更に意訳されたようで、ガッカリ感のある表現がいくつかプラスされています。

『偽り』
『欺瞞』
『半信半疑』

など、deceptionの意味につながる言葉と思われます。

理由不明の日本独自の花言葉

『自然美』
『心の平安』

は、日本独自の花言葉として紹介するものが複数ありました。由来についてはよくわかりません。鮮やかなオレンジ色の実が美しく、観賞していると心が落ち着くのでしょうか?

『私を誘ってください』

も、日本だけの花言葉として出てきました。由来はやはりわかりませんが、もしかしたら、ほおずき市からイメージして、縁日に行きたい心情を表しているのかもしれません。

ほおずき市の由来

関東以外では、案外知られていない

ほおずき市の由来については、諸説あり、不明確な部分もありますが、江戸の町人文化が花開いていった時代に生まれ、発展していった風物詩でした。

一番有名で大規模なのは浅草寺ですが、発祥の地は港区の「愛宕神社」といわれています。

当時、実や根が生薬として使われていた「センナリホオズキ」という種が、

  • 子供の疳の虫(かんのむし):今でいう“ひきつけ”
  • 大人の癪(しゃく):発作的にお腹や胸が激しく痛くなる病気の総称

に効く、という触れ込みで、愛宕神社の「四万六千日(しまんろくせんにち)」と呼ばれる縁日の日に売られたのが始まりです。

四万六千日は、もともとは観音様の縁日の中で、特に御利益が大きいといわれていた、年に一度の超スペシャルお詣り推奨日のことでした。愛宕神社のほおずき市の評判が良かったので、観音様を祀り、同じく四万六千日の縁日を開催していた浅草寺が「じゃ、うちも」と始めたという説があります。

その後、全国の愛宕神社や観音様に関係する神社にも広まっていきました。が、南関東界隈での開催が圧倒的に多く、関東以外の地域では、実はあまり知られていないようです。

浅草寺のほおずき市の諸説

浅草寺のほおずき市の由来については、以下のようないい伝えもあります。これだと、浅草寺のほうが発祥の地になりそうですが・・・。

“かつて、源頼朝が奥州討伐に赴いた帰り、浅草で軍勢を休ませ、熱中症の兵士にホオズキの実を食べさせたところ、元気になったため、浅草界隈でセンナリホオズキが売られるようになり、後に浅草寺の縁日となった”

また、こんな話も残っています。

“かつて浅草寺の四万六千日には赤いトウモロコシが無病息災の縁起物として売られていたが、不作の年に商品が揃わず、代わりに赤い実のホオズキが売られるようになった”

これは、ほおずき市の由来というより、実が小さく、熟しても赤くならないセンナリホオズキが、現在のオレンジ色の観賞用品種に移行していったきっかけなのかもしれません。

浅草のほおずき市は7月9・10日、他の神社もだいたい6~8月くらいの日程です。花は既にないホオズキですが、花言葉よくないですし、赤い実の縁起物の御利益にあやかりに、一度でかけてみてはいかがですか。

ホオズキの基本データ

分類: ナス科ホオズキ属
学名: Physalis alkekengi フィサリス・アークケンギ
和名: 鬼灯(ホオズキ)、酸漿(ホオズキ)
別名: 輝血(カガチ)、奴加豆支(ヌカヅキ)
英名: Winter Cherry,Ground cherry,
Chinese lantern,Japanese lantern
開花時期: 6~7月 果実期は7~8月 夏の花
花色: 白、黄色など
草丈: 60~80cm 一年草・多年草
花持ち期間: 2~3日 実の鑑賞期間は2週間くらい
生息地: 南ヨーロッパから南アジア、東・東南アジア地域
原産地: 東南アジア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。