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オミナエシの花言葉/はかなげな姿の女郎花VSごっつい男郎花

Written by すずき大和

万葉集の和歌に詠まれた七種の花に由来する「秋の七草」とは、以下の花々です。

  1. 「萩(ハギ)」
  2. 「尾花(ススキ)」
  3. 「葛(クズ)」
  4. 「撫子(ナデシコ)」
  5. 「女郎花(オミナエシ)」
  6. 「藤袴(フジバカマ)」
  7. 「桔梗(キキョウ)」

ポピュラーな花名もありますが、野山に自生していることが多いオミナエシの名前と姿が、すぐにピンとくる人は少ないかもしれません。「女郎花」って漢字を読めなかった人もいるでしょう。

実は、同じオミナエシ科オミナエシ属に、花の付き方がよく似た白花の品種があり、

  • 茎が太くて花も大きめ、ちょっとごつい印象の白花の種を「男郎花(オトコエシ)」
  • 細くて花も小さい、きゃしゃな印象の黄色い花の種を「女郎花」

と、対で呼んでいます。「女郎」は、平安時代には貴族の女性を意味する表記でした。

後の世に付けられた花言葉は、そんなわけで、古風な女性像を思わせる言葉が多いです。花名の由来の諸説ともども、花言葉の由来も見ていきましょう。



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オミナエシの花言葉

『美人』
『親切』
『心尽くし』
『佳人』
『はかない恋』
『忍耐』
『約束を守る』

オミナエシってどんな花?

東アジア原産の生薬にもなる野草

日本や中国が原産といわれ、シベリア東部から東アジア各地に自生しています。下草ぼうぼうではない、程よく手入れされた里山や人里の空き地、池の周りなどでよく見られます。

茎の切り口から変な発酵臭がすることがあり、切り花は敬遠する人もいますが、園芸用の品種はガーデニングでも楽しまれています。

根の成分に浄血を促す作用があり、「敗醤(はいしょう)」と呼ばれる生薬にされます。ハトムギなどと一緒に調合された漢方薬が、解熱剤・解毒剤として日本でも出回っています。

黄色い細かな花が秋風に揺れる姿がはかなげ

細長く伸びた茎(60~100㎝くらい)の先がたくさん枝分かれして、先端に黄色の細かい花がいっぱい咲きます。秋風にたなびく様子がなんともはかなげに見えるので、慎ましく繊細な姿の美しい女性に例えられ、当時の言葉で“若い女性、美人、佳人”を意味する「おみな」が花名についたといわれます。

「えし」の解釈として、一説によれば

“美人をしのぐ”

という意味で「へし(減し・圧し)」をつけて「おみなへし」としたのではないか、とのことです。

男飯・女飯

オミナエシのビジュアルは正直そんなにインパクトの強い美しさなのか?という疑問もあり、花名の由来の「へし」は「めし(飯)」ではないか、という説を押す人も多いです。

古代社会では稲作の生産量はまだ安定しておらず、貴族といえど、白米は貴重だったので、優先的に男性が食べ、女性や下々のものは雑穀を食べることが多かったようです。

白米は「おとこ飯」、粟飯は「おみな飯」と呼ばれていました。

細かい花が集まって咲くオミナエシ属の花が、ご飯の粒に見えたため、

  1. 白花の品種は「米花」、黄花の品種は「粟花」と呼ばれ、
  2. それが「オトコメシ」「オミナメシ」という花名になり、
  3. やがて「オトコエシ」「オミナエシ」に転じた

というわけです。

オトコエシ

男郎花

花言葉の由来

『美人』『親切』『心尽くし』『佳人』

昔の人から見て、理想的な女性像をあてた花言葉です。

『はかない恋』『忍耐』

花姿のはかなげなイメージが、黙って悲しみに耐える人のように感じられことから生まれた花言葉です。

『約束を守る』

これは、能の有名な演目「おみなめし(女郎花)」に由来するのではないか、という説があります。

おみなめしは、小野頼風(おののよりかぜ)とその妻の話です。

“都に住む妻の元に山里に住む小野頼風が通っていましたが(古代の日本は通い婚)、やんごとなき理由があってしばらく行けなくなります。妻は夫が心変わりしたと思い込んで入水自殺を図ります。

夫は嘆き悲しみ山の麓に妻を埋葬します。やがて妻の墓にオミナエシが咲きました。頼風が近寄ると、花はユラユラ揺れて夫の手から遠ざかります。妻が自分を拒んでいると思った頼風は、妻の無念を思い、後を追って入水自殺します。

舞台の終盤、妻の霊は、最後に

「恋の妄執ゆえに死んだ私は、その執心ゆえに地獄に落ちて苦しむこととなりました・・・」

といって消えていきます。”

通い婚が成立することを「契りを交わす」といいました。

直訳すると、肉体関係を持つことですが、当時sexすることはとても大切な「契り」つまり契約=「約束」の証でした。

契りを交わしたのに妻をほったらかした夫が、

「地獄で再開したら、もう絶対約束は破らないよ」

と、オミナエシの花に誓った想いが花言葉になったのかもしれません。

はかなげで繊細とは限らない女性の時代

  • 夫に米を食べさせて、自分は粟でいいわ、という慎ましやかな女性
  • 繊細ではかなげであることが美しさとなっている女性

は、21世紀の現代、必ずしも「美人」「佳人」と称えられる女性像ではないかもしれません。

でも、自立した自己と経済力を持つ女性が一般的な時代になっても、

「不倫は許さない!」

文化は健在です。

男の心変わりくらいで自殺せず、強く前を向いて生きていく女性が増えている昨今、誤解の悲劇が地獄まで行く可能性は低いでしょう。が、男性の皆さん、無駄な疑いが掛からないよう、やっぱり契りの約束は大事にしてくださいね。

もちろん、男性の方が恋の妄執からストーカーとなったりしないように!


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。