冬の花の花言葉 春の花の花言葉

スイセンの花言葉/ナルシストじゃない「希望」の一面も知って!

Written by すずき大和

日本人が知っている一番有名な花言葉は、母の日のカーネーションの

『母の愛』(赤花)



『私の愛は生きている』(白花)

なんだそうです。

確かに、花言葉が何か知らない頃からすでにインプットされる情報ですね。

英語がわかる人たちの間では、スイセンの

『自己愛』
『うぬぼれ』


もよく知られています。

スイセンの英名は「ナルシサス(Narcissus)」

ギリシャ神話に出てくるナルキッソス(ナルシサスのギリシャ語)の話は日本でも有名です。彼は自分に恋して死んでしまう美少年で、「ナルシスト」(自己愛性人格障害者)の語源にもなっています。彼が死んだ跡に咲いた花がスイセンなのです。

花のいわれとしては、あまりいいイメージではないですが、元来スイセンには、もっとポジティブな一面もあります。

実は、欧米では、スイセンは

“「希望」の象徴”

ともされています。

励ましや敬愛の気持ちを伝えるプレゼントにされることも多いです。

花言葉には、なぜか時々、社会の中でのシンボル性と相反するようなものがあるんです。

スイセンの花言葉

スイセン全般の花言葉

『自己愛』
『うぬぼれ』
『エゴ』


色別の花言葉

黄色の花

『私のもとへ帰って』
『私の愛に応えて』

白色の花

『気高い美人』
『ミステリー』


種類別の花言葉

ラッパズイセン

『尊敬』
『報われぬ恋』

クチベニズイセン

『華やかないでたち』

花言葉の由来

ナルキッソスの神話

『自己愛』
『うぬぼれ』
『エゴ』


の由来として有名なナルキッソスの神話とはこんな話です。

ナルキッソスはあまりの美貌のため、様々な女性からいい寄られていました。が、高慢な態度で女性たちをふりまくります。女性の中には傷ついて自ら命を絶つ者や、やせ衰えて肉体を失ってしまった精霊もいました。

女神ネメシスはそんな振る舞いを見て、彼に

“自分以外の他のものを愛せなくなる呪い”

をかけます。

結局ナルキッソスは、水面に映る自分に恋して憔悴しきって死んでしまいます。水辺でうつむくように咲くスイセンは、自分の姿を見つめるナルキッソスの化身です。

ハーデスの神話

スイセンにまつわるギリシャ神話の中の逸話は、実はもうひとつあります。黄色いスイセンの花言葉は、こちらの話からきています。

オリンポスの神の王ゼウスの策略で、キューピットの矢を撃ち込まれた冥界の王ハーデスは、大地の女神デメテルの娘ペルセポネに一目ぼれします。ハーデスは川辺で花摘みをしていたペルセポネをさらって冥界に連れて行き、そのまま妻にしてしまいます。

激怒したデメテルは、ゼウスに抗議しますが取り合われず、大地に恵みをもたらす役目も放り出してオリンポスから去ってしまいます。
一方ペルセポネは、冥界で一生ハーデスの気持ちを受け入れることはしませんでした。

さらわれる時にペルセポネが落とした花が、黄色いスイセンです。

黄色いスイセンの花言葉

『私のもとへ帰って』

は、母デメテルの気持ちを。

『私の愛に応えて』

は、母娘が互いに会いたい願いが叶わぬもどかしさと、ハーデスの恋心の両方を表しています。

黄色い花の品種ラッパズイセンの花言葉

『報われぬ恋』も、ハーデスの心情を代弁するものでしょう。

人々を勇気づける、春を告げる花

地中海沿岸原産のスイセンは、平安時代末期に中国から日本にも伝わります。本州以南の地域で野生化し、日本水仙と呼ばれる野生種の群生地が今も見られます。

冬至の前後から最も寒さ厳しい時季に開花し始め、早春の時季に、まっすぐに立つ細い茎の先に横向きからややうつむき加減に花を咲かせます。

ヨーロッパでは、いち早く春を告げてくれる花であると、いつの頃からか「希望の花」としてシンボライズされるようになりました。寒さに打ち勝ち、慎ましい姿勢ながらも凛として立って春を待つ姿は、人々を勇気づけるものがあったのでしょう。

現代でも、例えばガン患者を支援する団体の多くが、スイセンをシンボルとしています。

日本でも、阪神淡路大震災の時に、皇后美智子様が皇居に咲いていた17本の日本水仙を被災地に献花したことが話題になりました。

ヨーロッパ北西部に分布するラッパズイセンは、イギリス・ウェールズの国章です。

『尊敬』

は、希望の花を称える気持ちがこもった花言葉です。

贈り物はいい意味で解釈しよう

西洋で、黄色は

“最後の晩餐の時にユダが来ていた服の色”

という理由で忌み嫌われることが多く、花言葉でも黄花だけ悪い意味になっている花が少なくありません。

黄色のラッパズイセンに『尊敬』という花言葉があるのは、稀有な例です。

花言葉は元来“ゲン担ぎ”みたいなものですから、よりよく解釈し、ポジティブに生きる糧にするほうが気持ちよいでしょう。

ナルシサスから「ナルシストの花」の印象は完全に払しょくできないかもしれませんが、

「希望の象徴」

の意味が尊重されて贈り物にされているのはステキなことだと思います。

赤いカーネーションの花言葉は、母の日ができる前は

『哀れみ』

だったそうです。母の日のイメージの浸透が、花言葉をも変えてしまいました。

スイセンも、いっそのこと花言葉に

『希望』

を入れてもいいんじゃないのかなぁ・・・。そう思いませんか?

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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。