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オシロイバナの花言葉/花よりタネに注目?ユニーク和のセンス

Written by すずき大和

「オシロイバナ」の“オシロイ”は“白粉(おしろい)”、つまり日本古来のパウダーファンデーション(化粧品)のことです。

といっても、ほんとうに白粉の原料にしていたのではありません。釣鐘のような、手榴弾のような、独特の形をした真っ黒いタネを割ると、中の胚乳が真っ白い粉状で、まるで白粉のように見えることから付いた名前です。子供たちは本当にこの粉を顔に付けて、お化粧の真似事をして遊びました。

実は、こうして“タネに着目”して名前にまでしているのは、世界の中で日本だけです。

オシロイバナには、もっとわかりやすい、特殊な特徴があります。学名や世界の花名のほとんどが、その特徴を表しています。そして、花言葉も、このオシロイバナならではの特別な点に由来しています。



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オシロイバナの花言葉

『臆病』
『内気』
『小心』
『遠慮』
『恋を疑う』
『疑いの恋』

花言葉の由来

夕方4時(?)から咲き始める夜型の花

非常にわかりやすい、オシロイバナの変わった特徴のひとつは、“夜型”の花であることです。夕方日が傾いて気温が下がり始めると咲きだします。

これにちなんで、

英語名は、

「フォー・オクロック(four o’clock)」“4時”の意味

フランス語名は、

「ユヌ・ベルドゥニュイ(une belle-de-nuit)」“夜の女”

中国語名は、

「チーフカンフォア(吃飯花)」“夕飯時の花”

といいます。

『臆病』
『内気』
『小心』
『遠慮』

これらの花言葉は、夕方から朝にかけて咲く様子が、“人目を避けている”ように見えることから生まれました。

突然変異が日常?不思議な2色の花

そして、誰もが一目瞭然、他の花には見られない最も驚きのオシロイバナの特徴は、不思議な花色の花を咲かせることです。

ひとつの株から伸びた多数の茎の先に、多くの花をつけるオシロイバナ。

普通は同じ株(根っこ)からは、接ぎ木をしない限り、同じ色の花が咲くものです。が、オシロイバナは、普通に育っているのに、同じ株から異なる2色の花が咲いていることが多々見られます。それも、茎ごとに色が分かれるというわけではなく、同じ茎に2色付いています。

中には、ひとつの花に2色入っているものもあります。不自然に一部だけくっきり別の色になっている“ツートンカラー”咲きや、異なる色が“まだら模様”になった花が、どちらかの単色の花の間に交じって咲いています。

2色咲オシロイバナ


こんな、他にない花色が出現する理由は、オシロイバナには、

“花色が突然変異を起こしやすい遺伝子がある”ためです。

突然変異によって花色が変化するため、咲くまで色の予測がつきません。

2色咲きした花のタネでも、育てると2色にならない場合もあります。

3か月ほどの花期の間、毎日次々と蕾が開いていきますが、ひとつの花は一夜限りで散ってしまいます。そのため、毎日のように咲く花の色が変わっていくように見えます。

この花色の特徴は、昔から人々に何ともいえない摩訶不思議な感覚を抱かせました。

オシロイバナの属名「ミラビリス(mirabilis)」

ラテン語で「驚異」「不思議な」という意味です。

また、英語名の別名は「マーベル・オブ・ペルー(marvel of Peru)」

“ペルーの不思議”という意味です。

そして、花色の不安定さは、心変わりしやすさのイメージにつながり、

『恋を疑う』
『疑いの恋』

という花言葉になりました。

日本人とオシロイバナ

世界に広がる帰化植物

原産地はメキシコなど、南アメリカの熱帯地方といわれています。marvel of Peruの英名を見ると、西洋社会に最初に持ち込まれたのは、ペルー帝国がスペインに侵略された後と思われます。日本には江戸時代に伝わったといわれています。

茎がたくさん枝分かれして大きく広がるので、灌木のようにも見えますが、多年草です。

暑さに強く、夏は放っておいても育つ、丈夫で繁殖力の強い植物なので、広まった先の各地で帰化して自生しています。日本でも庭先や道端、山道などでも頻繁に見かけるポピュラーな花です。

とても育てやすいですが、ガーデニングの国イギリスでは、園芸植物としての人気はあまり高くありません。花色のコントロールがしづらいことが影響しているのでしょうか?

一方、花色の突然変異が起きやすいことは、原産国での野生種の花色を物凄く豊富にしました。メキシコやペルーに行くと、実にカラフルなオシロイバナが見られるそうです。

タネのでんぷんの話題は微小

西洋での園芸種以外の利用例の情報が、検索してもほとんど見つかりません。東洋では、根っこやタネのオシロイ粉が生薬に使われた記録もありますが、子供が白粉遊びに使ったという文化は日本だけです。

やはり、世界の人は花に着目するのが一般的なようです。花名から、「夜咲く花」の認識は、どこの国の人も普通にありました。一応、日本でも「夕化粧(ゆうげしょう)」の別名がありますが、日本人の中では「夜の花」というイメージはほとんど広まっていません。

何かにつけ、着目点や機能の追求などに独特の価値観を持っている日本文化のオリジナリティやユニークさは、世界では有名です。日本はいわば、「マーベル・オブ・アジア」です。

花の名前ひとつにも、日本人の「ガラパゴス文化」が反映しているのだな・・・なんて思ったオシロイバナ考でした。


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。