冬の花の花言葉 春の花の花言葉

スノードロップの花言葉/希望の花?死の象徴?伝説気にしすぎ!?

Written by すずき大和

スノードロップは、ちょうど暦の立春から春分くらいまでの短い時季に見られる、草丈15㎝くらいの小さな花です。

和名は

「待雪草(マツユキソウ)」

と呼ばれています。寒さ厳しい時節、雪の中で白い花が下を向いて咲く様子が、暖かな春の到来をじっと待っているかのように見えます。

日本では、1月1日の誕生花のひとつです。実際にはその頃から咲き始めるケースは稀ですが、旧暦では新年は立春前後から始まりますから、まさに新春の到来を告げる花ということです。

西洋でも東洋でも、まだ寒い季節に人々の心に癒しを与えてくれる花として愛されてきました。花言葉も、人の心を励ましてくれるものです。

が、一方で、ヨーロッパの一部地方にあまり縁起のよくない伝説が残っています。日本では、その話に由来する不吉な花言葉も付け加えて紹介する人がいます。

スノードロップの花言葉

スノードロップ全般の花言葉

『希望』
『逆境の中の希望』
『慰め』
『もしもの時の友』
『楽しいお告げ』


花言葉の由来

優しい天使の心遣いの花

花言葉は、旧約聖書のアダムとイヴに関する伝説に基づくと、伝えられています。

禁断の果実を食べてしまい、神様から楽園を追い出されたアダムとイヴが、冬の寒さの中で困っていると、哀れに思った天使が、舞い散る雪をスノードロップの花に変え、

「もうすぐ春がくるから、絶望してはいけません」

と、慰めてくれたそうです。

ここから、西洋では

『希望(hope)』
『慰め(consolation)』


の花言葉がつき、日本にも伝わりました。

日本では、更に

『逆境の中の希望』
『もしもの時の友』


と、具体的な花言葉も加わりました。もしもの時の友は天使のことですね。

春を告げる花

『楽しいお告げ』

という花言葉の由来は、スコットランドでの伝承に由来して付けられたようです。スコットランドでもスノードロップは“春を告げる花”として愛さており、

“新年が明ける前に咲いた花を見つけられたら、翌年は幸運が訪れる”

と、伝えられています。

そういえば、ロシアの有名な童話劇「森は生きている」では、主人公の少女が、継母から大晦日に、その時季咲いているはずがないマツユキソウを摘んで来るようにいいつけられたことが、物語の始まりでした。

さまざまな伝承が残る花

スノードロップは、ヨーロッパ原産といわれますが、どこの国と特定できないくらい、昔から広い地域で自生していました。そして、他にも各地にいろいろな言説が残っています。

各地のスノードロップ伝説

ドイツにはこんな話が伝わっています。

“昔むかし、雪は無色だったため、花々に「色を分けてほしい」と頼みました。どの花も断りましたが、スノードロップだけが白い色を分けてあげました。雪は感謝の印に春一番の花を咲かせる栄光をスノードロップに与えました。”


また、カトリックの信仰が強い国では、聖燭節(せいしょくせつ)と呼ばれるマリアの清めの祭日(2月2日)、祭壇にスノードロップを飾る風習があります。今も教会や修道院へ行くと、庭にはスノードロップが植えられていることが多いです。

イギリスのヘリフォード・ビーコンと呼ばれる地方では、

“聖燭節にボウルいっぱいスノードロップを摘んで家に持ち帰ると、家が清められる”

と伝えられています。また、

“清らかな修道女の幽霊が現れる古い屋敷の庭に、スノードロップが咲いていた”

などという逸話が伝わる地方もあります。

「死」の象徴の花

多くの言説が、いい印象のエピソードですが、ひとつだけ、イギリスの一部の農村地方に、

“スノードロップは「死」の象徴”

と忌み嫌う文化が残っています。家の中に持ち込むと、不幸になるといわれ、プレゼントすると、希望の花言葉と合わさって

「あなたの死を希望する」

という意味になる、という人もいます。

理由は、この地方に残る伝説です。

“その昔ケルマという名の女性の恋人が死んだとき、彼女は恋人の遺体にスノートロップを置きました。花が恋人に触れた途端、彼のからだは雪の雫になってしまったそうです。”


日本でこの伝説を取り上げ、『あなたの死を望む』は

「隠し花言葉」

だと解説する人がいます。

が、当のイギリスでは、ケルマの伝説と忌避の文化を知る人はいますが、一般的な花言葉とはされていません。伝説の残る地方以外では、特にプレゼントをタブー視してもいません。スコットランドやヘリフォード・ビーコン地方では、前述のとおり、ラッキーアイテムとされています。

遠く離れた日本で、ことさら気にされ、隠し花言葉として広まっているのは、異様にも思えます。

隠し花言葉?

調べてみると、広まったのはネットが普及して以降のようです。ちょっと衝撃的な話や突飛な解釈が拡散されやすいのは、ネット文化の特徴です。そもそも「隠し花言葉」ということ自体が典型的な都市伝説です。本当の花言葉として伝える記事もありますが、情報元は都市伝説と見たほうがいいかもしれません。

花屋さんでも、スノードロップを「縁起悪いです」などとアドバイスすることはほぼありません。『希望』の花言葉を送りたい人は、気にせずプレゼントに使っても大丈夫です。
人の好意のプレゼントを、わざわざ異国の悪い伝説に結び付けて悪意に解釈し、怒る人って、あまりいないと思いませんか。

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+

筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。