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ナデシコの花言葉/洋の東西で女性に例えられてきた花

Written by すずき大和

ナデシコというと、女子サッカーチームの愛称

「なでしこジャパン」

を思い浮かべる人は多いでしょう。

バブルの時代を知っている世代は、小泉今日子さんのヒット曲

「やまとなでしこ七変化」

という歌を思い出すでしょうか。

日本ではいつの頃からか、女性の代名詞として

「大和撫子(やまとなでしこ)」

という言葉が使われてきました。

古代の頃からナデシコは女性の姿に例えられてきました。
花言葉にも、社会が女性に期待するイメージが反映されています。



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ナデシコの花言葉

ナデシコ全般の花言葉

『純愛』
『貞節』
『大胆』

色別の花言葉

赤色の八重咲きの花

『純粋で燃えるような愛』

白色の花

『器用』『才能』

ピンク色の花

『純粋な愛』

ナデシコってどんな花?

日本女性の理想像を表したナデシコ

ナデシコの仲間は、北半球の温帯地方を中心に広く自生しており、洋の東西を問わず昔から人々に愛されてきました。

日本では、平安時代には既に庭の園芸種として貴族にも好まれおり、万葉集にもナデシコの歌がたくさん出てきます。そもそも、

“撫でたくなるくらい可愛らしい子”

という意味で「撫子(なでしこ)」という名前になったといわれています。

日本に多く自生して、古くから親しまれているのは「カワラナデシコ」という種です。

カワラナデシコ


花びらの先がギザギサになっているのが、ナデシコの仲間の特徴ですが、カワラナデシコは、ぎざぎざの切れ込みが深く、細長い花びらが鳥の羽のようにも見えます。

  • 淡い紫のようなピンク色
  • 細く糸状になった花びら

このビジュアルは、はかなげで繊細な印象を与えるので、

“純真で清楚な女性のイメージ”

にぴったりだったのでしょうか。日本では、昔から理想の女性像として、

“慎み深く細やかな心遣い”

が求められる社会気風がありました。

このため、ナデシコは女性らしさの象徴に見立てられるようになったと思われます。

大和撫子とは

6~9月くらいが花の時季となり、盛りは7月くらいなので、代表的な夏の花です。が、日本の昔の暦(旧暦)では、7~9月は秋にあたります。そのため、ナデシコは「秋の七草」のひとつとして有名です。

しかし、万葉集や源氏物語などには別名の「常夏(とこなつ)」と表現されている記載もあります。これは、当時中国から入ってきたナデシコの名前でした。品種改良され、四季咲きの種であったため、「いつも夏のように咲いている」ことから命名されています。

この中国種と在来種を区別するのに、

「唐撫子(からなでしこ)」

「大和撫子」

と呼び分けるようになり、カワラナデシコの別名が「ヤマトナデシコ」になりました。

常夏の“とこ”という音が、日本語では「床」つまり寝室を連想させ、性的なイメージにつながるところから女性を表した、と分析する人もいます。ちょっと淫らな女性の印象ともいえ、だからこそ、日本のナデシコは、

“清楚でおしとやかな女性の象徴”

と強調するため、女性の代名詞として「大和撫子」が使われたのかもしれません。

花言葉の由来

繊細な印象の在来種・カワイイ主張の外来種

日本のナデシコ全般の花言葉、

『純愛』

『貞節』

には、そういうわけで、清らかで慎み深い理想の女性像が反映されています。

ところで、もうひとつの花言葉

『大胆』

は、ちょっと印象が違いますね。

一応ナデシコ全般の花言葉になっています。が、これは特に、日本で花言葉が生まれた時代(19世紀初頭)に、既にたくさん入ってきていた“ヨーロッパの外来種”の印象からきた言葉といわれています。

外来種は、ぎざぎざの切れ込みが浅いものが多く、蛇の目模様があったり、花色も多彩で、

  • 繊細というより、今風の「カワイイ」という印象
  • 慎み深いというより、キュートに自己主張している印象

が感じられました。その辺が「大胆」につながった模様です。

西洋伝来の花言葉

西洋では、そんな色別の自己主張を受け止めて、ナデシコには色別に花言葉が定められています。日本でも、そのまま色ごとの花言葉として紹介されています。

1, 赤色の花言葉『純粋で燃えるような愛』

深紅の花びらの種類は八重咲きなので、余計花びらが燃え立つように見えます。

ナデシコ赤花


2, 白色の花言葉『器用』『才能』

白花は、知的でスペックの高いイメージを感じるようです。

ナデシコ白花


3, ピンク色の花言葉『純粋な愛』


ナデシコピンク花


鮮やかな色や模様のある花も多いですが、西洋のナデシコも一番多いのはピンク色です。

というより、実はナデシコの英名が

「ピンク(pink)」です。

色名のピンクは、ナデシコの花に由来しています。日本人は知らない人多いですよね。

「なでしこジャパン」は

「ジャパンブルー」じゃなくて

「ピンクジャパン」だったわけです!?

ピンクの花の印象は、西洋でも純粋でひたむきなイメージのようです。

品種改良が進み、多種多彩なナデシコ

ナデシコは交配しやすい種で、ガーデニングの本場のヨーロッパでは品種改良されたたくさんの園芸種が生まれました。日本の花屋さんでも、蛇の目模様や赤いナデシコは、すっかりお馴染みです。

母の日のカーネーションもナデシコの改良種です。八重咲の赤いナデシコ、よく見ると似ているでしょ。

可愛らしいビジュアルから、西洋でも昔から女性や子供の姿に例えられることの多い花でした。でも花言葉を見ると、どちらかというと受け身の印象の日本の女性像より、やはりちょっと積極的なイメージが感じられます。


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。