冬の花の花言葉

ロウバイの花言葉/目立たず奥ゆかしく、慈愛に満ちた癒し系

Written by すずき大和

早春の頃、まだ寒さ厳しい時期に他に先駆けて咲く花というのは、健気で芯の強い、凛として立つ印象があるものが多いですが、素朴な花姿に春の到来を予感して、心癒されるものです。

中国では、早春の画題になる代表的な4つの花

  • 「椿」
  • 「梅」
  • 「水仙」
  • 「蝋梅(ろうばい)」

「雪中四花(せっちゅうしか)」と呼んでいます。

ロウバイは、まだ葉が出ないうちに枝の途中にたくさん花が咲く様子や、その花の形が、梅に似ているので、“梅”の字が入っていますが、梅とは違う種類の植物です。

梅よりも1か月ほど早く、本当に極寒の頃から咲き始めます。土壌もあまり選ばず、日陰でもよく育つ、本当に寒さに強い丈夫な花木で、雪の中で咲く姿に励まされることも多い冬の花です。

その生態はものすごくしたたかで強いのですが、黄色の花は、椿や紅梅の赤色ほどは雪の中で目立ちません。まだ花の少ない頃、人があまり出歩かない寒い時季にひっそり咲き始めるので、奥ゆかしい印象を持たれることが多く、花言葉もそんな地味で控え目な所を愛でる言葉が並んでいます。



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もくじ

ロウバイの花言葉

『慈愛』
『慈しみ』
『ゆかしさ』
『愛情』
『優しい心』
『先見』
『先導』

ロウバイってどんな花?

中国から来た黄色い梅

日本では現在3種のロウバイが見られます。いずれも中国原産です。

日本に伝わったのは江戸時代から明治にかけての頃です。

「蝋梅」の字は中国語のまま、日本語読みでロウバイになりました。中国では、黄色の花が、蝋細工のような質感と光沢に見え、梅の花に似ていたのでこう呼ばれたといいます。

また、日本では、旧暦の12月の頃咲き始めるので、12月の別名「臘月:ろうげつ」の花ということで「臘梅」と書く場合もありました。

「和蝋梅(ワロウバイ)」

一番先に伝わったのが、和名「和蝋梅(ワロウバイ)」と呼ばれる品種で、今も一般にロウバイと呼ばれているのはこの種です。その丈夫さからすぐに帰化して広まりました。

花びらが細長く、花の中心が深紅色をしているので、あまり梅には似ていません。同じロウバイ科の北アメリカ原産の黒や赤い花の咲く近種のほうによく似ています。

ワロウバイ


「満月蝋梅(まんげつろうばい)」

やや遅れて、中国の原種に近いといわれる「満月蝋梅(まんげつろうばい)」という品種も入ってきました。これはワロウバイより更に半月から1か月早く開花する種で、こちらの方は本当に梅によく似ています。花びらの黄色が濃く、花の中心はワロウバイより薄めの紅紫色になります。

マンゲツロウバイ


「素心蝋梅(ソシンロウバイ)」

200年程遅れて、明治初期に入ってきたのが「素心蝋梅(ソシンロウバイ)」という品種です。江戸時代のロウバイに比べ、花びらの色が薄く、透き通るような黄色をしています。こちらの方が本当に蝋のように見えます。花の中心部まで黄色一色なので、“素心”の名がつきました。

ソシンロウバイ


強く甘い芳香

同じロウバイでも、見た目の印象はかなり違う感じがします。ワロウバイなど、花をアップで見ていると、地味というより強いインパクトも感じるし、中心の色が黒っぽい赤紫のものなど、ちょっとグロいものも見かけます。

が、実はロウバイには鎮静効果の高い強い香があり、その影響もあって、“癒し系”の印象のほうが強くなっていると思われます。

ロウバイの香は梅よりも強い甘い香で、東洋でも西洋でも高貴な香として、芳香油がアロハテラピーや香水に使われています。

現在、日本では特に香の強いソシンロウバイが最も多く栽培されています。ロウバイの名所とされる観光地で群生しているのは、多くがソシンロウバイです。逆に、庭木などでは、ワロウバイを見ることの方が多いかもしれません。

花言葉の由来

『慈愛』『慈しみ』『ゆかしさ』『愛情』『優しい心』

目立たない時季にそっと黄色い花を咲かせる姿が奥ゆかしく、その馥郁(ふくいく)とした甘い香は、安らぎを感じるリラックス効果満点

という癒しパワー全開の花は、人々に、慈愛に満ちた優しいほっこり系として受け止められています。花言葉にもそんな癒し系イメージが溢れています。

『先見』『先導』

早春を知らせる花の中でも、最も早く咲き始めるので、こんな花言葉もあります。

寒さの中で見つける癒し

観梅の観光客で賑わう梅園人気に比べ、ロウバイの観光地のニュースはやはりちょっと地味かもしれません。が、最も寒さ厳しい時季、あえて屋外に出て、思いがけず美しいものを見つけると、予想以上に心温まるのかもしれません。

バレンタインデーを前に、独り身の心さみしい人など、ぜひロウバイ探してみてください。安らぎと慈愛を感じて、ちょっと心温まりますように。

ロウバイの基本データ

分類: ロウバイ科ロウバイ属
学名: Chimonanthus praecox チモアンツフス・プラコックス
和名: 蝋梅
別名: 唐梅(からうめ)、南京梅(ナンキンウメ)
英名: Wintersweet,Japanese allspice
開花時期: 1~2月 冬の花
花色: 黄色
樹高: 2~4m 
原産地: 中国


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。