春の花の花言葉

レンゲの花言葉/肥料に飼料に生薬に、蜂蜜も取れるお役立ち植物

Written by すずき大和

春に見られる一面の花畑、と聞くと、何の花が思い浮かびますか?

昭和世代や田んぼが身近にある所で育った人の中からは、

「春先の田んぼが一面のレンゲ畑になっている風景」

を懐かしく思い出す声がよく聞かれます。

レンゲは、江戸時代の初めに、田んぼの緑肥として中国から輸入された歴史があります。

「緑肥」というのは、畑に植えられたまま耕して土に混ぜ込み、肥料にする草のことです。化学肥料が使われるようになるまで、日本のコメ作りでは、田んぼにレンゲの種を撒き、花を咲かせた後に耕して緑肥にしていました。

ヨーロッパでは、放牧していた羊の良質な餌でした。

中国では根っこが生薬でした。

レンゲ蜂蜜は国産蜂蜜の王様です。

レンゲは、これまで人の暮らしに様々な恩恵を与えてきた、超お役立ち植物です。

花言葉には、そんな自然の恵みに潤う人の様子が表れています。



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レンゲの花言葉

『あなたと一緒なら苦痛が和らぐ』
『心が和らぐ』

レンゲってどんな花?

花よりも注目すべきは根っこパワー

レンゲは、根っこに「根粒」というこぶのようなものがたくさんあります。ここに「根粒菌」という細菌がレンゲの養分を餌にしてたくさん住んでいます。

根粒菌は、空気中の窒素を植物が吸収できる形に変えて蓄える(窒素を固定する)能力があります。レンゲはちょっとの養分を餌として提供する代わりに、菌が作ってくれる窒素肥料をもらっています。

つまり、レンゲは全身に窒素肥料を溜め込んだ塊みたいなもので、これを土に混ぜ込んで発酵・分解させると、肥料分たっぶりの腐葉土になるのです。

レンゲ畑の風景が激減した現在

レンゲを緑肥にするには、秋の刈入れ後、稲の根を取り除いて耕した畑にレンゲの種を撒き、春、花が散ると、種ができる前に土にすき込まないといけません。耕して半月~1か月おいて発酵させる時間も必要です。

化学肥料を使うほうが、手間も費用も少なくてすむため、戦後、営農田んぼではどんどん化学肥料に切り替えられていきました。

また、稲の品種改良が進んで、田植えの時期が以前より1か月以上早まるようになり、レンゲをすき込んで寝かせて腐葉土にする時間がなくなったことも、レンゲ畑が激減したことの原因です。

最近では、米どころでは、減反などのため休耕している田んぼに、昨年の種から自然に発芽して育ったレンゲ畑が見られる所がありますが、緑肥としてレンゲ畑を作るところは、大幅に減りました。

養蜂用のレンゲ畑は健在ですが、昭和60年と比べると全国のレンゲ畑の面積は半分以下になってしまいました。

一方、最近都市近郊では、レンゲ畑を観光スポットとして町おこしするために、田植え前の田んぼをあえてレンゲ畑にしている自治体が見られます。

花言葉の由来

根っこの生薬パワー

『あなたと一緒なら苦痛が和らぐ』
『心が和らぐ』

の花言葉は、主に薬効に由来するといわれています。

原産国中国では、紀元前1世紀頃の文献にすでに、

「レンゲの根は病気に対する抵抗力をつける効果のあるハーブである」

ということが、書かれていました。

現在も、乾燥した根の粉末が錠剤やカプセルにされ、漢方薬として世界で流通しています。

また、中国では乾燥根を煮出したお茶が飲まれています。

レンゲの根には、フラボノイド、サポニンなど、いくつもの薬効成分が含まれています。

  • 免疫機能の向上
  • 肝臓機能の保護
  • ウイルスの活動抑制
  • インスリンの分泌を促進

などの働きにより、エネルギーの向上や疲労回復効果があります。

まさに、身も心も和らげてくれるものです。

レンゲの花は摘んじゃいけない?

手に取るな やはり野に置け 蓮華草

見出しの句は、江戸時代の俳人、滝野瓢水(たきのひょうすい)が詠んだものとして、今もよく知られています。遊女を身請けしようとする友人をいさめる句であり、

「美しいものは手に入らない所にあるから美しく、手に入れたらそれは失われる」

といって諭しています。

また、西洋では、ギリシャ神話の中に、ニンフ(女性の精霊)が変身していたレンゲを、それと知らずに摘んでしまった娘が、自らもレンゲに変えられてしまう話があります。

娘は、一緒にいた妹に

「花はみな女神が姿を変えたものだから、もう摘まないで」

といい残して見る見るレンゲになってしまいました。

アジア人は結実前のレンゲを無残につぶして耕し肥料にしてきました。

または、根っこを掘り出して薬にしていました。

西洋では羊の餌として進んで食べさせていました。

英名の「Chinese milk vetch(直訳すると“中国のミルクのえんどう”)」は、

“羊が食べると乳の出が増える”

といわれていたことに由来しています。

洋の東西で、レンゲをさんざん便利に利用してきたのに、

「摘んではいけない」

というメッセージを残すエピソードばっかり有名だなんて、面白いですね。

というか、人間、ちょっと勝手だぞ(笑)


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。