夏の花の花言葉

タチアオイの花言葉/気高いイメージでも高ビーっていわないで

Written by すずき大和

葵と聞くと、日本人は

  • 京都の「葵まつり」
  • 徳川の「葵の御門」

を連想する人が多いようです。

どちらの葵も、「フタバアオイ」という植物で、実は花のアオイとは全く別の種類です。

江戸時代の屏風絵などによく描かれた花のアオイは、正式名は「タチアオイ」といい、アオイ目・アオイ科の代表的な花です。

太い茎がまっすぐ伸びて大きくなるタチアオイの花には、立派で崇高な姿を連想するような、気高いイメージの花言葉がいろいろついています。


タチアオイの花言葉

タチアオイ全般の花言葉

『気高い美』
『気高く威厳に満ちた美』
『高貴』
『威厳』
『開放的』
『大望』
『野心』
『使命』
『熱烈な恋』
『豊かな実り』
『豊穣』
『平安』


タチアオイって、どんな花?

日本固有の葵に似ていた外来種

ハート型の葉っぱが2枚ずつ対になって出るフタバアオイは、日本固有種の植物です。花は咲きますが、葉の根本に下向きについて、小さく咲く、目立たないものです。花びらがつながってお椀状になった花の形をしていますが、お椀の部分は実はガクで、花びらはありません。

フタバアオイ花


古代、中国からいろいろなものが入ってきた時、タチアオイは、根っこが生薬として使われる薬草として日本に入ってきました。根っこの効き目より、花姿の立派さが気に入られ、園芸種としても楽しまれるようになっていきます。

花びらの根本がつながって鉢状の形に咲いていたため、

“葵(フタバアオイ)の花の形に似ている”という理由で

「唐葵(カラアオイ)」と名付けられました。

万葉集に「葵、花咲く」と謡われているのはこちらの花のアオイのほうです。

「タチアオイ」という名で呼ばれるようになったのは、江戸時代になってからです。

梅雨の終わりを告げる花

根っこが残って翌年も咲く多年草ですが、茎は毎年枯れてしまい、翌春にまた地面から伸びてきます。6月ころ大人の胸の高さ位に伸びると花を付け始め、梅雨の間もぐんぐん背丈を伸ばしながら、花穂の下のほうから上に向かって花が咲いていきます。

ちょうど梅雨が明ける7月の後半になると、すっかり伸び切って大人の背丈よりも高くなっています。花穂の花も一番上まで全部咲きます。毎年、タチアオイが立派に咲き切ると梅雨が終わり、本格的な暑さの始まりとなります。

花言葉の由来

『気高く威厳に満ちた美』

ヒマワリは花が太陽に向かいますが、アオイは葉が太陽に向かう性質があります。

「太陽を仰ぐからアオイ」などと、上手いことをいう人もいます。

同じ梅雨の時季が花期となる紫陽花は、梅雨が明けると正直ちょっと情けない見た目になってしまいます。一方、タチアオイは、長い雨の期間を乗り越えると、夏の日差しに向かって、すっくと立ちそびえ、花穂にはたわわに花をつけています。

その姿は、自信に満ちて胸をはっている人のようで、気高い威厳を漂わせています。

タチアオイの一番代表的な花言葉は、

『気高い美』
『気高く威厳に満ちた美』


です。

『高貴』
『威厳』
『開放的』


なんていう花言葉もあります。

立派な王様や、世界のトップモデルさんのような、威圧感を感じてしまいそうな花言葉の羅列ですが、いわゆる「ツンデレ」とか「高ビー」のイメージではなく、頑張って偉業を達成した人の清々しさに心打たれるような印象ではないかと思います。

『大きな志』

西洋の花言葉も、力強い立ち姿に由来していますが、

既に立派なことを成し得た人ではなく、

これから偉業を達成しようと大きな志に立ち向かう人

をイメージしたような言葉が並びます。

『大志』
『野心』
『大望』


何か、目標に向かって燃えている感じがします。

これらは、日本でも花言葉に取り入れられました。更に

『使命』
『熱烈な恋』


なんていうのもあります。

『豊かな実り』

たわわに咲く花は、そのあとたわわな実になるので、日本にも西洋にも、豊作をイメージするような花言葉もあります。

『豊かな実り』
『豊穣』
『平安』


なんだか庭に植えておくと縁起よさそうな気がしてきました。

丈夫で強いタチアオイ

タチアオイの原産は、地中海沿岸から西アジア辺りではないかといわれています。

日本の気候によく合うようで、とても丈夫な性質のため、空き地や街路樹のための狭い土の露出した部分などに生えているのもよく見ます。日当たりと水はけと通気が良ければ、人が世話しないである程度放置しておいても、元気に育つようです。

私が育った場所でも、空き地や線路の脇によく自生しており、気づくとあっという間に大きくなって花を咲かせていました。生命力の強さを見ても雑草だとばかり思っていました。

後に、万葉集にも歌われ、屏風絵に描かれるような花だと知って、ちょっと驚いたものです。花言葉を知った時も、なんだか立派なイメージにまたびっくりしました。

来年の梅雨明けには、ちょっと敬意をもって見上げてみようかと思います。

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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。